介護と仕事を両立するために必要な知識と実践ガイド

生活と老人ホーム

介護と仕事の両立は、誰にとっても避けられない課題になりつつあります。親や配偶者の介護が突然始まると、仕事とのバランスを崩し「介護離職」に追い込まれる人も少なくありません。しかし、制度の活用や働き方の工夫、周囲のサポートによって両立を実現している人も数多くいます。「介護と仕事を両立するための方法」 を解説していきます。

増えるビジネスケアラーと介護離職の現実

・介護をしながら働く人(ビジネスケアラー)は 約318万人(2030年予測)
・毎年 約10万人が介護離職 を余儀なくされている
・介護と仕事の両立困難による経済損失は 年間約9兆円 とも試算される

「自分はまだ先の話」と思っていても、40代後半〜50代で介護が始まるケースは非常に多く、キャリアのピーク期に直面しやすい課題です。突然訪れる“ダブルケア”に対応するためには、社会全体での理解と個人の準備が不可欠です。

知っていれば守られる! 介護と仕事を支える制度

・介護休業:対象家族1人につき通算93日まで(最大3回分割可)
・介護休暇:年5日(2人以上なら年10日)、時間単位で取得可能
・短時間勤務制度:要介護者がいる間はフレックスや時短を選択できる
・介護休業給付金:休業中の給与の約67%が支給

制度があっても「周囲に迷惑をかけるのでは」と利用をためらう人が多いのも現実です。しかし、法律に基づいた権利であり、使うことでむしろ「長く働き続けられる社員」として評価されるケースも増えています。

毎日のスケジュールを破綻させない工夫

スケジュール調整のイメージイラスト

厚労省調査では、介護に関わる人の平均介護時間は1日4.5時間。フルタイム勤務を続ける人の約6割が「時間のやりくりが最大の悩み」と回答しています。

時間管理のコツは「一人で抱え込まないこと」。
家族間で役割分担(誰が買い物、誰が通院付き添いなど)、外部サービスの導入(デイサービス、訪問介護、ヘルパー利用)、職場での理解(在宅勤務、時差出勤の相談)、仕事と介護の「線引き」を意識することが、心身の消耗を防ぎます。

上司や同僚への伝え方で次第で変化する働きやすさ

・企業調査では「介護に直面する可能性のある社員」は2023年時点で38%
・「職場に相談できている」と答えた人は全体の約45%

職場に伝える際のポイント:
1.「介護が始まったこと」を事実ベースで共有する
2.「どの程度の支援が必要か」を具体的に提示する(例:週1回早退、月1回休暇)
3.感情ではなく「業務への影響と調整案」を示す

「相談しづらい」と感じても、黙って仕事に支障をきたすよりも、早めの共有のほうが双方にメリットがあります。

両立を支えるのは“心の余裕”

リラックスした団欒のイメージイラスト

介護者の約6割が「ストレスや不安を強く感じる」と回答。うつ病リスクは一般人の約2倍とされています。

メンタルを守るために:
・自治体や地域包括支援センターへの相談
・産業医やEAP(従業員支援プログラム)の活用
・同じ境遇の人とのコミュニティ参加

「一人で抱え込まない」ことが最重要。精神的な支えがあることで、仕事と介護の両立が現実的になります。

まとめ

介護と仕事の両立は、避けられない社会課題です。

・現状を正しく知る
・制度を積極的に活用する
・時間と役割を分担する
・職場との信頼を築く
・メンタルケアを忘れない

この5つのステップを意識することで、介護によるキャリア断絶を防ぎ、安心して働き続けることができます。介護は突然やってきます。だからこそ「知識と準備」が最大の武器になるのです。

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