介護施設を検討する中で、「介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いがよく分からない」と感じる人は少なくありません。
実際には、この2つは入所の目的や想定される期間が異なり、状況に合わない選択をすると、再び施設を探す必要が生じることもあります。
この記事では、どちらを選ぶべきかを判断できるよう、違いを具体的に整理していきます。
違いは「一時的か、長期か」にある

介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違いは、入所の目的と想定されている入所期間にあります。
介護老人保健施設は、病院退院後などにリハビリを行い、自宅での生活に戻ることを目指すための中間的な施設です。一方、特別養護老人ホームは、在宅復帰を前提とせず、長期的に生活する場として入所する施設に位置づけられています。
そのため、介護が一時的なものなのか、今後も継続して必要になるのかによって、選ぶべき施設は変わります。費用や入所条件にも差があり、特養は比較的費用を抑えられる一方で待機が発生しやすく、老健は入所しやすい反面、原則として入所期間に制限があります。
介護老人保健施設と特別養護老人ホームは同時に申し込めるのか
両方の施設に同時に申し込むことは制度上問題ありません。
介護老人保健施設と特別養護老人ホームは別の制度に基づく施設のため、申し込みを制限するルールはありません。実際には、老健に入所しながら特養の入所待ちをするケースも多く見られます。
どんな状態なら老健ではなく特養を選ぶべきか
在宅での生活に戻る見込みが低い場合は、特別養護老人ホームの方が現実的です。
老健はリハビリによる回復を前提としており、介護状態が長期化することが見込まれる場合や、認知症が進行している場合には適さないことがあります。生活の場として継続的な介護が必要な場合は、特養の方が安定した選択になります。
費用が安いのはどちらか

一般的には特別養護老人ホームの方が月額費用を抑えやすい傾向があります。
介護老人保健施設では、医師の管理やリハビリ費用が含まれるため、月額10〜15万円前後になることが多くなります。一方、特養は生活支援が中心となるため、8〜12万円程度が目安となります。
介護老人保健施設はどれくらいの期間入所できるのか
介護老人保健施設は、原則として数か月から半年程度の入所が想定されています。
在宅復帰を目的とした施設であるため、状態が安定した後は退所を求められることがあります。長期的な入所を前提に選ぶ施設ではない点に注意が必要です。
特別養護老人ホームは誰でもすぐに入れるのか
特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上でなければ入所できません。
要介護1・2でも特例入所が認められるケースはありますが、基本的には要介護3以上が条件となります。また、人気が高いため、地域によっては数か月から数年待つこともあります。
在宅復帰を考えていない場合に老健を選ぶとどうなるか

在宅復帰を前提にしないまま老健を選ぶと、再度転居が必要になる可能性があります。
老健は長期滞在を想定していないため、一定期間が経過すると別の施設への移行を求められることがあります。結果として、本人や家族にとって負担が大きくなることがあります。
医療ケアが多い人にはどちらが向いているか
短期的な医療管理が必要な場合は老健、長期的な生活介護が中心なら特養が向いています。
老健は医師やリハビリスタッフが常駐しており、退院直後など医療的なフォローが必要な時期に適しています。一方、医療依存度が長期化する場合は、特養と医療機関の連携による対応が現実的です。
要介護度が低いと特養に入れないのか
要介護1・2では原則として特養に入所することはできません。
ただし、認知症の進行や家族による介護が困難な事情がある場合には、特例として認められるケースもあります。
迷った場合に最初に取るべき行動

地域包括支援センターに相談することで、状況に合った選択肢を整理できます。
地域包括支援センターは中立的な立場で制度説明や施設選びの助言を行っており、初めて介護施設を検討する際の相談先として適しています。
まとめ|どちらを選ぶかは将来像で決める
- 短期間で自宅復帰を目指すなら介護老人保健施設
- 長期的な生活の場を探すなら特別養護老人ホーム
- 判断に迷う場合は専門機関に相談することが近道


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